サイトの理念

カメラ初心者さんにもわかりやすい内容で
カメラや写真の楽しさをシェアして
撮影する人、される人、
カメラ・写真がうまくなりたい皆様と一緒に
カメラ・写真をめいっぱい楽しむサイトです。

カメラ用語「レンズ」について
わかりやすく解説します!

レンズってどういうもの?

レンズは、一眼レフタイプの
カメラに装着されている円筒型の部分です。

このレンズを通して、
被写体や光を取り込んで撮影するわけです。
スマホやコンパクトデジカメだと、
本体の中にレンズがあるので
あまり意識しないかもしれません。

一眼レフカメラが、スマホなどに比べて
いろいろな写真の撮り方ができるのは
撮りたい被写体に合わせて
「レンズ交換」ができるから、
これに尽きます。

ただ、レンズは種類が多く、
専門用語もたくさん出てくるので

『これから一眼レフを始めたい』

と思っている初心者さんには
敷居が高く感じられるかも。

そんな初心者さんに向けて、
それぞれのレンズの特長や
「このシーンにはこのレンズ」といった
判断の仕方をお伝えしていきます。

焦点距離とか画角って何ですか?

『焦点距離』

聞きなれない4字熟語が出てきましたね。
カメラ用語はいちいち
難しく感じる用語が多いですが、
わかりやすくかみ砕いて説明していきますよ。

「焦点距離」とは、
撮影しようとしてピントを合わせた時の

「レンズからイメージセンサー(撮像素子)までの距離」

のことを言います。

焦点距離は、
28㎜、55㎜、100㎜
といった数値で表されることが一般的です。

焦点距離が変わることによって、
画角(=写真に写る範囲)も変わります。

「焦点距離が長い=画角は狭い」ってどういうこと?

焦点距離が長いレンズは
画角が狭くなります。
望遠レンズの焦点距離と画角
そのため、
被写体からカメラまでの距離が同じ場合、
写真に写る範囲は狭くなります。
望遠レンズの画角

「焦点距離が短い=画角は広い」ってどういうこと?

焦点距離が短いレンズは
画角が広くなります。
広角レンズの焦点距離と画角
そのため、
被写体からカメラまでの距離が同じ場合、
広い範囲を写すことができます。
広角レンズの画角

標準レンズ・広角レンズ・望遠レンズって何がどう違うの?

標準レンズは、
焦点距離が50㎜前後、画角が46度前後の
レンズのことです。

画角が広いレンズを
広角レンズ(写真に写る範囲が広い)、

画角が狭いレンズを
望遠レンズ(写真に写る範囲が狭い)

といいます。

それぞれの画角の違いをわかりやすく解説!

標準レンズは、人間の目で見た感じ
一番近いレンズだと言われています。
自然な遠近感で撮影できるという特長があります。

広角レンズは、
標準レンズより画角が広いレンズのことを言います。
20㎜や28㎜、35㎜などの数値があります。
画角が広いため、
広い範囲を写すことができます。

注意点としては、写真の周辺部に
ゆがみが出ることがあります。
写真の周辺部に人の顔や
ペットなどの動物が写りこむと
不自然にゆがんで写ることがあります。

望遠レンズは、
標準レンズより画角が狭いレンズのことを言います。
100㎜や200㎜、300㎜などの数値があります。
遠くの景色や動物、天体を
引き寄せて撮影することができます。
遠くの被写体を大きく写して、
近くの被写体との大きさの差が少なくなる
「圧縮効果」という特長を持っています。

望遠レンズの圧縮効果

レンズの種類による一般的な画角は

超望遠レンズ 8度~1度
望遠レンズ 15度~10度
標準レンズ 50度~25度
広角レンズ 100度~60度
魚眼レンズ 最大で180度(180度より広いものもある)

こんな感じになっています。

レンズの種類について

今まで出てきたレンズが代表的なものになります。
ネットショップや家電量販店の
カメラコーナーなどを見ていると

「単焦点レンズ」「ズームレンズ」

といった言葉が出てきます。

またまた聞きなれない言葉が出てきました。
こちらもわかりやすく解説していきますね。

大別すると「単焦点レンズ」と「ズームレンズ」

レンズはざっくり大きく分けると、
「単焦点レンズ」か「ズームレンズ」
に分類されます。

それぞれの特長を見ていきましょう。

「単焦点レンズ」の特長

撮影できる距離が決まっているレンズが
「単焦点レンズ」です。

焦点が一つだけだから、“単”焦点。

ズームすることができませんから、
撮影者自身が動いてベストアングルを
探す必要があります。
自分が動かなければいけない、というと
不便に聞こえるかもしれませんが、
ボケ味の美しさや、F値が小さいレンズなら
暗い場所でも光を取り込めるなど
利点はたくさんあります。

ズームレンズを使っていても、
ベストアングルを探すためには
自分の足を使う必要があります。

一眼レフカメラらしい、
背景をぐっとぼかした写真や
夜景写真を楽しむことができます。

「ズームレンズ」の特長

ズームレンズは、
名前の通りズームすることができます。

「ズーム」の言葉の意味は、
ズームレンズを用いて被写体の像を
拡大したり、縮小したりする操作
のことです。

写したい被写体との距離に合わせて、
自由にズームすることができます。
さまざまな状況に対応できる便利さがあります。

スマホでズーム撮影をすると
画質が落ちてしまいますが、
一眼レフのズームレンズだと
画質が落ちる心配がありません。

ズームレンズの場合は、表示方法が異なります。
18-55㎜のように表示されます。
この場合は、18㎜と55㎜の範囲の焦点距離で
撮影できるズームレンズであることを示しています。
標準ズームレンズ側面
標準ズームレンズのレンズ面
ズームレンズの種類によって、○○-●●の数値も変化します。

豆知識:光学ズームとデジタルズーム

光学ズームデジタルズーム

ズームという言葉は同じですが、
ズーム撮影をするための仕組みが異なります。

画質が落ちるズームと
画質が落ちないズーム。
なぜ画質に影響がでるのか、
その仕組みを見ていきましょう。

光学ズーム(デジタル一眼レフカメラ)

光学ズームは、
レンズの焦点距離を変化させることによって
拡大・縮小して撮影しています。
レンズの焦点距離を長くしたり、短くしたりするので、
画質が落ちることはありません。

デジタルズーム(スマホなど)

デジタルズームは、
レンズそのものを動かすことはできません
写った画像の一部を拡大して
被写体の大きさを変えています。
撮影データの一部を拡大する処理を
しなければならないので
画素数が減るために画質が劣化します。

望遠とズームって一緒の意味なの?

結論から言いましょう。

望遠とズームは、違う意味です。

私もカメラ初心者の頃は勘違いしていました。
このページのおさらいも兼ねて、
一緒に見ていきましょう。

ズームレンズとは、
焦点距離が変えられるレンズのことでしたね。
望遠レンズは、焦点距離が長いレンズのことでしたね。

例えば、
10-20㎜のズームレンズがあります。
焦点距離が10-20㎜と短いです。
焦点距離が短い、ということは
広角レンズです。
これは広角のズームレンズです。
ズームレンズですが、
遠くのものを大きく写すことはできません。

もう一つ例を出します。
300㎜の単焦点レンズがあります。
焦点距離は300㎜と長いので、
望遠レンズですね。
単焦点なので、
焦点距離を変えることはできません。
ズームすることはできませんが、
遠くのものを大きく写すことができます。

カメラ用語は用語の数自体も多いですし、
なんとなく、で覚えている言葉もあるかもしれません。
意味をきちんを理解できていると、
取扱説明書やネットの記事を見ても、
ちゃんと頭に入ってきます。

少しずつでもわかることが増えると
写真がどんどん楽しくなりますよ。

どう使い分けるといいの?

「レンズの違いはわかったけど、どう活かせばいいの?」

それぞれのレンズの得意分野を見ていきましょう。

ボケの美しさとレンズ自体の明るさを活かそう

カフェのスイーツにピントを合わせて、
背景のおしゃれな雑貨はぐっとぼかして撮る。
雑誌やカフェの広告になりそうな写真が撮りたいなら、
F値の小さい単焦点レンズがおすすめです。

ピントが合ったところはクッキリと際立ち、
他の部分はふわりとボケて
一眼レフならではの写真が楽しめます。

レンズ一つで広角・望遠の表現ができる

お散歩中の道端のお花、きれいな夕焼け、
会社や地域のイベントでのスナップ撮影。
遠くのモノや近くのモノを状況に応じて
アクティブに撮りたい場合はズームレンズが向いています。
レンズ交換をする際は、
レンズマウントや接点にほこりなどが
入らないように注意をしなければいけません。

そのスキに、
楽しい瞬間が過ぎ去ってしまうかも!

ズームレンズなら、
レンズ交換をしなくても
ズーム機能で拡大・縮小ができるので、
シャッターチャンスを逃しません。

「マクロレンズ」

例えばの話ですが、
目の前に指を出してずーっと顔に近づけていきます。
ある程度は目で追えますが、
そのうち目の焦点が合わなくなってしまいますよね。
被写体が近すぎると、
人間の目はピントを合わせることができなくなります。
レンズもこれと同じで、
ピントを合わせられる距離が決まっているのです。

見慣れた景色がまったく違う世界に変わる

「マクロレンズ」というレンズがあります。
言葉自体は聞いたことがある方もいると思います。
マクロレンズは、通常のレンズよりも
撮りたい被写体に思いっきり近づくことができます。

肉眼で見るよりも、被写体の質感・色を
細かく撮影することができます。
虫眼鏡で見るような感じで、
花の花弁や雄しべ・雌しべの様子、
虫の触覚の動きなどを撮影することができます。

自分にはどんなレンズが合っているんだろう??

『このページを読んで、レンズの種類や特長はわかった。
自分に合ったレンズはどれなんだろう?
一眼レフは決して安い買い物ではないから、絶対失敗したくない!』

お気持ち、よおぉーーーくわかります!
品質の良いものを、大事に長く使いたい。

自分が撮影したいモノは何か?

それをまず確認しましょう。

あなたが撮りたいモノは?

『あー、今カメラがあったらシャッター切ってるのになぁー』

あなたの心を揺さぶるモノは、
いつどこに潜んでいるのでしょう。

“何が撮りたいか”

これ、かなり大事ですよ!

日常の風景、道端に咲くお花、お料理、
カフェのスイーツ、かわいいペット

お散歩中目に留まった花壇のお花、
気合いを入れて作ったお料理、
お誕生日会やホームパーティ、
お気に入りのカフェの
スイーツやコーヒー・・・

何気ない日常生活の中にも
シャッターチャンスはたくさんあります。
広角~標準ズームレンズで、
カメラを片手に散策するのも良いですね。

お子様の運動会、遊園地で遊ぶ姿

お子様の運動会や、遊園地に行って
遊具で遊ぶお子様を撮る場合は、
被写体であるお子様と撮影者との間に
距離があると思われます。
標準~望遠ズームレンズなら、
距離がある場所からでも
お子様の表情やがんばる姿を
バッチリおさえることができます。

最初はキットレンズからでも写真を楽しめます!

私が今使っているデジタル一眼レフカメラは、
Canon EOS 80D というカメラです。
キットレンズ2本がついているものです。
キットレンズは、18-55㎜と55-250㎜です。
CANON EOS 80D
18-55㎜のレンズは
普段使いにちょうど良く、かなり大活躍しています。
55-250㎜は、きれいな月がでたり、面白い雲がでた時、
ノラ猫に警戒されずにアップで撮るときに重宝しています。

良いレンズを買おうと思うと、
その分お金も必要になります。
趣味で
生活を破綻させてしまうことがあってはいけません。

ですが、良い趣味は心を豊かにしてくれます。

私は、カメラを持ったことで、
何気ない幸せを見つける感度が高くなったと思っています。

このページが、あなたのお役に立てたならとても嬉しいです。

カメラ用語「ff」とは何ぞや!?

カメラ用語「ff」とは何ぞや!?

ffと聞くと、
某有名ゲームのことを思い出す方、
「子どもの時に音楽の授業で聞いたような・・・」
という方もいるかもしれません。

ちなみに・・・
音楽の授業で習ったffは、
『フォルティシモ(ごく強く)』
f:フォルテ(強く)よりも
さらに大きく、という意味です。

本題に戻りまして、

このページでは、
ffという言葉について
見ていきましょう。

カメラ用語 ffとは!?

1.Full Figure
フルフィギュア。
人物の頭の上から足先までを
画面いっぱいに入るように
撮るサイズを言う。

2.Fade out / Fade in
フェードアウト・フェードイン。
映像が無くなって、
黒味の状態になることを言う。

3.Freeze Frame
フリーズフレーム。
静止した画面のこと。

言葉の意味としては、
これらの3つが当てはまります。

2と3は、映像(動画)の用語になります。

このページでは、
1のFull Figureフルフィギュア
について見ていきましょう。

Full Figureについて解説します!

Full Figureフルフィギュアとは、
画面サイズの中の一つです。

画面サイズとは、
人物などのメインの被写体が
画面内でどれくらいの
大きさになっているかを表します。

このページのタイトルの
Full Figureフルフィギュアとは、
人物などを撮影する時に、
頭の上から足先までを
画面いっぱいに入れる
サイズのことを言います。

画面の中の人物を
どのように写し取るかで、
呼び方が変わります。

大きく分類すると、

Long shotロングショット、
Medium shotミディアムショット、
Up shotアップショット

に分かれます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Long shotロングショット

L.S:ロングショット
画面の中の情報量が多く、
一枚で状況説明的な写真になります。
人物などのメインの被写体の大きさは、
相対的に小さくなります。
写真に写る撮影エリアは
大きくなります。

F.F:フルフィギュア
(F.Sフルショットとも呼ばれます)
ロングショットよりも
撮影エリアが小さくなり、
被写体が大きめに写ります。
撮影する対象が
特定されるサイズになります。
被写体の頭上と足下にスペースを入れるか、
頭上に少し多めにスペースを入れると
安定した写真になります。

Medium shotミディアムショット

K.S:ニーショット
膝から頭頂部までが写ります。

W.S:ウエストショット
腰付近から頭の先が写ります。
ニュースなどの話し手が写る
基本のショットです。

B.S:バストショット
胸から上が写ります。
履歴書やパスポートなどの
証明写真によく見られます。

画面に入る人物の大きさ(全身)

Up shotアップショット

アップショット側になればなるほど、
撮影対象が特定されて、
迫力のある写真になります。

U.S:アップショット
被写体の顔が
画面いっぱいに入ります。
被写体の表情が
はっきりとわかります。
人物の肩を入れると
安定した写真になります。

C.U:クローズアップ
アップショットを
さらに強調するショットです。
被写体の目元、口元が
画面いっぱいに入ります。

B.C.U:ビッグクローズアップ
クローズアップショットを
さらに強調するショットです。

Detail shot:
さらに寄った一部分の
拡大ショット(目だけ、口だけ)

画面に入る人物の大きさ(アップ)

画面の配置

被写体となる人物が
左右どちらかを向いている場合、
基本的には
顔が向いている方向の空間をあけるようにします。

逆にすると、
何となく違和感のある写真に
なってしまうので注意しましょう。

顔の向きの反対側をあけると、
不自然な感じになります。

被写体が向いている方向の
空間を少し広くあけると、
写真が安定します。

向いている方:向いていない方=2:1
がおおよその目安です。

画面の配置良い例

大好きなネコにモデルとして
登場してもらいました。(上の写真)
ネコが顔を向けている方向を広くあけています。
こんな感じです。

あくまでも「おおよそ」で大丈夫です。
神経質になりすぎる必要はありません。

肩の力を抜いて、リラックスしていきましょう。

画面の配置悪い例その1

上の写真の余白をカットして、
ネコの顔側をせまく、うしろ側を広くしてみました。
何だか・・・やっぱり変な感じがします。

参考例として、
被写体が向いている逆の方向の
空間をあけましたが・・・
見ていて何だか落ち着かないです。

 

人物を撮影する場合に関してです。
特殊な例ではありますが、
「悩み」「心配」といった
被写体の心理状態を表現する効果を狙って、
あえて人物のうしろをあけることもあります。

 

ちょうど真ん中は、「日の丸」構図と呼ばれる
典型的なNG構図になります。

画面の配置悪い例その2

ネコを真ん中に配置してみました。
THE「日の丸構図」です。
悪い例として作成してみましたが、
やはりイマイチですね。

特に何も考えずにシャッターを切ると、
被写体を真ん中に配置しがちになります。

最初のうちは、特に意識して
被写体が向いている方向の空間を
少し多めにあけるようにしましょう。
練習するにつれて、
だんだん体が覚えてきます。
自然に無意識にできるようになったら
しめたものです!

首切り・串刺しに注意!!
背景が写る場合の注意点

このページで見てきた
ロングショット、フルフィギュア、ニーショット、
ウェストショット、バストショットなどは、
写真の中に背景が写ります。

その時に、
気をつけてほしいポイントがあります。

首切り写真ってなあに?

「首切り」という言葉に、ギョッとしますね。

どのような写真のことを言うのか
一緒に見ていきましょう。

〈ケース1〉
リラックスした笑顔が
いい感じで撮れている。
あれ?背景に写っているものが、
被写体の首のところにかかっている。
偶然写りこんだだけだし、
ナチュラルな表情がすごくいい!
上手に撮れた!

・・・これ、NGです。

窓枠や棚、家具や家電製品などの
真横の線上のモノが背景にあって、
被写体となる人物の
首の部分に写りこんでいる写真。

これが、「首切り」写真というNG写真です。

「首切り」という言葉、
ほんとにドキッとしますよね。

まず、首が切られているように見えて
縁起が悪いです。
また、この写真を見た人は
首を切っている線を追いかけてしまって、
見てほしいポイントに視線がいかなくなります。

首切り写真の例

屋外で人物を撮影する時も、
背景には気をつけましょう。
うしろに写りこんだ塀や柵が、
被写体の首にかかってしまうと
これも「首切り」写真になってしまいます。

シャッターを切る前に、
ファインダーや液晶モニターを見て、
きちんと確認しましょう。

 

串刺し写真にも注意!

「串刺し」も注意しなければなりません。
こちらも一緒に見ていきましょう。

〈ケース2〉
社内報用に撮った人物写真。
撮影してるときは気づかなかったけど、
よく見ると、
被写体となる人物の後ろに、
窓枠が縦に写りこんでいる。
室内で撮影したものだから、
窓枠があるのは別に普通だよね。

人物の頭に刺さっているように
見えるこの写真も・・・NGです。

人物を撮影する時に、
人物の後ろに電柱や標識などの棒状のものが
頭頂部から伸びているように見える写真は、
典型的な「串刺し」写真です。

写真を見た人に、
頭に何か刺さっているような違和感を与えます。

串刺し写真の図

首切り&串刺しパターンも!

〈ケース3〉
窓枠が頭頂部から縦に、
首付近に横に写りこんでいる
「首切り&串刺し」の合体パターンです。

首切り串刺し両方の例

人物を撮影する時は
特に背景に気をつけましょう。
何にも気にせずに撮影すると、
首切り・串刺し両方の
ダメダメパターンになっていることも。

「こんなの別に気にしなければいいじゃん」

気になりだすと、
気になって仕方なくなるんです。

余談ですが、
首切り写真・串刺し写真になっていなくても
背景がごちゃごちゃしていると、
メインの被写体が引き立ちません。

背景選びはとても大切です。
私が撮影する時は、
背景ができるだけ無地の所を
選ぶようにしています。

 

「目刺し」写真って知ってますか?

すぐに魚を思い浮かべてしまう方も
いるかもしれませんが
もちろん違いますよ。

またまた余談ですが、
メザシという名前のお魚が
いるわけではありません。
魚の加工品の名前で、
イワシなどを使った干物のようなものを言います。

さて、話を本題に戻しますね!

正面からではなく、
少しななめを向いた角度の
人物写真を撮る時の場面です。
その時に、
うしろのある観葉植物の枝が、
ちょうど被写体の目のところに
写りこみました。

これが、
「目刺し」写真と言われています。

目刺し写真の例

何かが目に刺さっているように見えて
すごく嫌な感じがする
NG写真の一例です。

“関節”では切らない

このページの最初で、
ロングショット、ミディアムショット、アップショット
についてご説明しました。

人物を撮影する時に安定する
基本的なショットで、
バランスの良い写真のトリミングができます。

トリミングする時の注意点

トリミングってなあに?

トリミングとは、
コンピューター上での写真の
画像処理などにおいて
画面の一部だけを切り出す加工
のことを言います。

それぞれのショットについてですが、
実は“関節”が避けられていることに
お気づきでしょうか。

関節でトリミングされていると、
見ていてなんだか不安に感じます。
なので、首や肩から少し下といった
関節から少しずらした部分で
トリミングします。

関節でトリミングされていると、
写真を見た人は不安を感じます。

関節ではなく、
少しずらしたところで
トリミングするようにしましょう。

関節で切る写真

 

悪いトリミングの例

首のところで切れているこの図。
まさに、「さらし首」という感じで
見ていてコワいです。
わかりやすいように図にしましたが、
自分で見てもゾワゾワします。
(上の四角の部分)

首から上が切れている写真も、
同様に避けなければいけません。
(下の四角の部分)

ひじや手首、腰やひざなど
他の関節でもトリミングしないように
注意してください。

特に深い意図はなく、
なにげなく、無意識に撮影した写真だとしても
撮影された側は、
「悪意があるの?」「わざと?」
と思ってしまうかもしれません。

撮影された方に不快な思いをさせないように
キチンと配慮しましょうね!

カメラ用語「SS」って何ですか?

カメラ用語「SS」って何ですか?

SSって、何て読むの?

シャッタースピード」と読みます。

カメラのメーカーによっては、
“Tv”タイムバリュー(時間量という意味)と
表記されることもあります。

Tvの表示

シャッタースピードって何なの?

1枚の写真を撮影するときにかかる時間です。
シャッターボタンを押して、シャッター幕が開いて、
カメラ内部のイメージセンサーに
光が入る時間のことをいいます。
一眼レフ内部構造

一眼レフ内部構造、撮影時の状態

 

一般的には、
イメージセンサーにたくさん光が届くと、明るい写真になり、
イメージセンサーに届く光が少ないと、暗い写真になります。

シャッタースピードと光の量

 

シャッタースピードは、
…2″、1″、…1/15、1/30、1/60、1/125、1/250、…
このように表記されます。

カメラによっては、分母のみで表記されることもあります。

1/250は、1秒間の250分の1ということなので、
シャッタースピードは速いことになります。
2″の後ろにくっついている『″』は『秒』を表します。
2″は、2秒なので遅いですね。
三脚を使わないと手持ちではブレてしまいます

シャッタースピードを変えるとどうなるの?

シャッタースピードが速いと、
光がイメージセンサーにあたる時間は短くなります。
シャッタースピードが遅いと、
光がイメージセンサーにあたる時間は長くなります。

SSを変えた場合の明るさの変化

 

シャッタースピードを変えると、
動きのある被写体の写り方を変えることができます。

速いシャッタースピードだと、
動きのある被写体をブレなく写すことができます。
手ブレを軽減することもできます。

遅いシャッタースピードだと、
被写体の動きそのもの(水の流れなど)を
撮ることができます。

ただ、シャッタースピードが遅いと、
シャッターが開いている間に
カメラがブレたり
被写体が動く
被写体ブレが起こるリスクが高くなります。

手持ち撮影で手ブレしないシャッタースピードとは??

「手ブレせずに撮影できる
シャッタースピードの目安ってないの?」

目安があると、

「撮影した後に確認したら
ほとんどブレてて写真が使えない!」

なんてことが防げますね。

※センサーサイズには種類があって、
フルサイズとAPS-Cで目安は異なります。

フルサイズとAPS-Cとは?

センサーサイズ比較図

センサーサイズの大きさの違いを図で表してみました。

一番左下の“1/2.3型”は、
一般的なスマートフォンに内蔵されている
センサーサイズの中でも比較的大きい方です。

APS-Cの面積は、1/2.3型の約13倍に、
35mmフルサイズなら、約30倍になります。

フォーサーズは、ミラーレス一眼レフや
コンパクトデジタルカメラ(略してコンデジ)に
内蔵されています。

センサーサイズの大きさの違いは
写真の仕上がりにも大きく影響します!

イメージセンサーの面積が大きいと・・・
1)より広い範囲が写せる
2)ボケの量が多くなる
3)色のグラデーションや明暗といった階調表現が優れている
4)光をたくさん取り込めるので、暗所でもキレイな写真が撮れる
といった特長があります。

フルサイズの場合の目安

焦点距離分の1」のシャッタースピードが
動かない被写体をブレずに撮影できる目安になります。

動く被写体を撮る場合は、その動きより速くないと
ブレてしまいますのでご注意ください。

50mmのレンズなら、
1/50よりも速く設定するとよいでしょう。

ズームレンズで、
「55-250mm」と表示されている場合は
そのレンズの焦点距離は、
両端の数字で表されることになります。

APS-Cの場合の目安

APS-Cの場合、焦点距離が1.5倍に拡大されます。

(焦点距離×1.5)分の1」が目安になります。

50mmだったら、50×1.5=75
1/75よりも遅いと手ブレするリスクがある、
ということになります。

動く被写体の場合は、
その動きよりも速いシャッタースピードにしましょう。

※「焦点距離」とは??
焦点距離とは、ピントを合わせた時の、
レンズの中心からイメージセンサーまでの距離のことです。
焦点距離の図

 

焦点距離が短いとブレにくいの?

先程の計算式にあてはめてみると、
ブレないシャッタースピードの目安は
50mmの標準レンズだと、1/50
24mmの広角レンズだと、1/24
200mmの望遠レンズだと、1/200
となります。

1/24と1/200だと、
かなりの開きがありますね。

この目安1/24ギリギリの
シャッタースピードで撮ると
ブレずに撮れているように見えても
拡大してみると、ブレていることがあります。

広角レンズは広い範囲が写るので、
「ブレにくい」のではなく
ブレが小さく写るので目立ちにくい」のです。

目安のシャッタースピードよりも、
速めのシャッタースピードで撮ることをオススメします。

望遠レンズは画角が狭い(写る範囲が小さい)ので
少しのブレがかなり目立ちます

その時点で失敗写真になる確率が高いです。

望遠レンズ自体が長くて重量があるので
手持ちで支えるのも大変な時があります。
望遠レンズで撮影するときは
できるだけ三脚を使うことをオススメします。
画角の比較図

 

どうやって調節するの?

カメラ上部のモードダイヤルを
“Tv”に合わせて(下の写真の赤枠内)、

Tvの表示
メイン電子ダイヤルを回して(下の写真の上の赤枠内)、
シャッタースピードを設定します(下の写真の下の赤枠内)。

Tvの設定
この操作で、
シャッタースピード優先モードに
設定されました。

他の撮影モードについて補足

P(プログラムオート)の場合
シャッターボタンを押すと、
カメラが自動シャッタースピード絞りを決めてくれます。

Av(絞り優先オート)の場合
絞りは撮影者が決定します。
シャッターボタンを押すと
自動シャッタースピードが決められます。

SSもしくはTv(シャッタースピード優先オート)の場合
シャッタースピードは撮影者が決定します。
シャッターボタンを押すと
自動絞りが決められます。

M(マニュアル)の場合
絞りとシャッタースピードは撮影者が決定します。

シャッタースピードの決め方

「シャッタースピードをどのくらいにするか」
について悩んだときは
どのような被写体をどんな風に撮りたいか、
考えてみましょう。

まず、手ブレは厳禁です!
手ブレしないことは
大前提として話を進めていきます。

a)被写体について
被写体は何ですか?
その被写体は動きますか?
動くならどのくらいの速さで動きますか?

b)三脚の使用
三脚は使いますか?
三脚が使用できる場所ですか?

c)撮影時の明るさ
日中で明るいですか?
夕方や夜で暗いですか?
日中だけど暗い室内ですか?

d)どんな風に撮りたいか
(い)瞬間を切り取りたい?
(ろ)動きそのものを撮りたい?
(は)背景をぼかして撮りたい?
(に)遠景までクッキリ写したい?
※(は)(に)を撮りたい場合は、
Av絞り優先が適しています

例えば、私がネコを撮りたいとします。
「なぜ唐突にネコ?」と思われた方。
私がネコ好きなだけです、すみません・・・

先程の設問に答えてみましょう。

a)被写体は何ですか?→ネコ

動きますか?→動かない時と動くときあり

どのくらいの速さで動く?
→じっとしているとき、
ゆっくり歩くとき、
俊敏に走るときもある

b)三脚の使用

ネコの動きを追いたいので使わない

c)撮影時の明るさ

日中で明るい

d)どんなふうに撮りたい?

のんびりしているネコの様子を撮りたい

シャッタスピード優先モード(1/250秒)で撮影
F値、ISO感度はオートで撮影。
①1/250秒、f/6.3、ISO1000、55mm
②1/250秒、f/6.3、ISO1000、55mm
③1/250秒、f/4、ISO500、18mm
④1/250秒、f/4.5、ISO1250、32mm

こちらは先程の設問をもとに
実際にネコを撮影した写真です。

①と②の写真を見ると、地面が濡れています。
雨は上がっていましたが、薄曇りでした。
肉眼では
「まあ、割と明るい方かな?」と思っていました。

しかし、
オートに設定していたISO感度は
ISO500~1250となっているので、
カメラは
「今日は暗いなあ、ISO感度上げておこう」
と判断したようです。

②と③では、ネコは私を怖がる風でもなく
ゆっくりと近づいてきます。

③は、ネコの頭が少しボケてしまい、
お尻付近にピントが合ってしまいました。
シャッタースピードは速めにしていたつもりですが
こんなことも起こります(> <;;)

④悠然と引き返していく後ろ姿。
このきまぐれさが、ネコ好きにはたまりません‼

こんな感じになります。
ご自分が撮りたいものは何か、
どんな風に撮りたいか、改めて考えてみると
適切なシャッタースピードがわかってきます。

速いシャッタースピードが適しているとき

速いシャッタースピードが適しているシーンをまとめてみました。

カメラをお持ちの方は実際にシャッターを切ってみて、
写真の仕上がりを確認しながら撮影してみてください。

・被写体が動くとき、動きが速いとき
・明るい場所で撮るとき
晴れている屋外
曇りで明るい屋外
明るい室内
・動きの「瞬間」を撮りたいとき
噴水や川の流れの水しぶき
お子様の笑顔の瞬間
・活発に動くお子様やペット
・ジャンプした写真

高速シャッターは瞬間を切り取る
シャッタースピードが
速くなればなるほど写真は暗くなる

遅いシャッタースピードが適しているとき

遅いシャッタースピードが適しているシーンをまとめてみました。

シャッタースピードが遅くなると、手ブレのリスクが出てきます。
三脚が使える場所であれば、極力使うようにしましょう。

・暗い条件で撮りたいとき
どんどん日が落ちる夕暮れ、
花火、夜景、星空など
・三脚が使える場所で撮るとき
・光の軌跡を撮りたいとき
車のヘッドライト
テールランプなど
・「動きそのもの」を撮りたいとき
噴水や川の流れ

低速シャッターは動きを撮る
遅くしすぎると
被写体ブレや手ブレになる危険性あり

まとめ

同じ被写体でも、
シャッタースピードを変えると
表現方法をガラッと変えることができます。

シャッタースピードが理解できると、
場面や光の条件に合わせた撮り方や、
自分が撮りたい写真を撮れるようになります。

カメラ・写真がもっともっと好きになりますよ!

くれぐれも、
手ブレだけは注意してくださいね。

▲トップへ戻る