カメラ初心者さん必見!
ISO感度っていったい何?

ISO感度っていったい何?

一眼レフを使いこなすためには、
ISO感度の知識をしっかり押さえておきましょう。

スマホで写真を撮っていたときは、
まったく気にしなくてよかったポイントだと思います。

絞り(f値)やシャッタースピードのように、
ISO感度をオートに設定することもできます。

ですが、
ISO感度の知識をきちんと身につけて
シーンに合わせた写真を撮れるようになると
ますます写真&カメラが楽しくなります。

できるだけわかりやすくISO感度について解説していきます。

ISO感度

まず、なんて読むの?

私は「イソ感度」と呼んでいます。
私が以前勤めていた職場の他のカメラマンも
イソ感度」と呼んでいました。
調べてみると、
上記の「イソ」でも「アイエスオー」でも
「アイソ」でも間違いではないのでご安心ください。

ちなみにISO(International Organization for Standardization)は
国際標準化機構のことです。
製造業のお仕事をしている方は、
「ISO9001(品質マネジメントシステム)」は身近なものだと思います。

ISO感度っていったい何?

「撮像素子がどのくらい光に反応しやすいか」を表したもの

デジタルカメラの撮像素子が、
どのくらい光に反応しやすいかを示した感度のことを言います。
(フィルムカメラの場合は、
フィルムが光に対する反応しやすさを示した感度のことを言います)

基本的には、ISO100~200の低感度は
高画質の写真を撮るときに向いています。
手ブレを防ぎたいときや動きのあるものを
止めて撮影したいときはISO感度を上げて撮る場合があります。

ISO感度100という数値が表示されている写真

赤枠内がISO感度。 この写真ではISO100に設定されています。

 

ISO感度はISO100から

ISO感度の基準は、ISO100です。
ここから、200、400、・・・と数字が増えていきます。
カメラにもよりますが、
設定できる一番低い感度で撮るときが、画質も一番よくなります

同じ光の量だと仮定すると、
ISO200の設定の場合、ISO100の2倍明るく写すことができます。

逆にISO感度を下げると、
同じ光の量なのに暗く写るようになります。

ISO感度を上げる(数値を上げる)ことを増感

ISO感度を下げる(数値を下げる)ことを減感

と呼びます。

設定するにはどうするの?

設定するには、
カメラ上部の「ISO」ボタンを押してから、
ダイヤルを回すことで
ISO感度の数値を設定することができます。

ISO感度設定の説明1/3

 

ISO感度の設定を「オート」にしておくと、
普段のISO感度の表示は「A」と表示されて、
シャッターボタンを半押ししてピントを合わせたときに、
そのシーンの光量に応じたISO感度が設定されます。

ISO感度設定がオートの時

ISO感度設定がオートの時

 

※上記の写真を撮影したときは、P(プログラムオート)にしていたので
シャッターボタンを半押ししたときに、シャッタースピードとf値も設定されています

シャッタースピードとの関係を理解しましょう

ISO感度の数値を100→200にすると・・

デジタルカメラは、撮像素子に光が当たり、
その光を電気信号に変えることで写真を撮ることができます。

ISO感度を2倍にする(例えば100→200にする)と、
撮像素子の電気信号も2倍になります。
光の量が同じ場合、シャッタースピードは
2倍速くすることができることになります。

ISO感度とシャッタースピードの関係

 

ISO感度が低いということは、光に反応しにくい
ということなので、暗い場所で適正露出を得るためには
シャッタースピードを遅くして、光を多く取り込む必要があります。

シャッタースピードと光の量

 

暗いところで、遅いシャッタースピードで撮影するとなると、
手ブレや被写体ブレになるリスクが高まります。
ISO感度を上げることで
速いシャッタースピードで撮れるようになると、
手ブレや被写体ブレすることがなくなります。

そんなに手ブレしちゃダメなの??

これまで何度か
「シャッタースピードが遅いと手ブレ被写体ブレになってしまう」
と書いてきました。

被写体ブレに関しては、被写体が動く速さによって、
止まったように写せるシャッタースピードの限界があります。
シャッタースピードを遅くすればするほど、被写体のブレは大きくなります。
のんびり歩いている人を止めて写すことができるシャッタースピードで
かなり速く走っている人を撮ると、被写体はかなりブレます。

ブレていない写真と被写体ブレの違い

 

「ものすごく速く走っている人」
を撮りたい場合は、この表現方法が適切かもしれません。
被写体ブレの幅が大きいか小さいかで、スピード感が違ってきます。

ですが、「手ブレ」は、撮影ミス・失敗写真でしかありません。
『ちゃんとピントを合わせているのに、なぜかピンボケするんだよね。』
この場合は、シャッターボタンを半押ししてピントを合わせていても
シャッターボタンを全押ししたときに
カメラ自体が動いてしまって、手ブレしていることが考えられます。

ブレなしと被写体ブレと手ブレの違い
《ブレの見分け方》
Aは、被写体である歩いている人と背景にある植物がきちんと撮れています。
Bは、走っている人がブレて、被写体ブレになっています。背景の植物はブレていません。
A’は、歩いている人も植物もブレています。手ブレは写真に写るもの全てがブレてしまいます。

手ブレをしないためには、基本のカメラの構え方を身につけましょう。
決して難しい技術ではありません。
(かなり暗い場所では三脚を使うことをおすすめします)

カメラ本体右側のグリップ部分を右手でしっかり持って、
右手人差し指はリラックスしてシャッターボタンの上に添えます。

左手は、レンズの下からそっと添えて、
左手親指と人差し指(もしくは中指)で
レンズのズームリングを調節しましょう。
左手はほとんど力を入れません。
時々、左手の親指が下を、他の指が上を向く感じにして
レンズを持っている方がいます。

一眼レフは、カメラ本体とレンズそのものにある程度の重さがありますので、
左手は手のひらを上向きにして下から支える方が
カメラ自体がより安定するのでおすすめです。

シャッターを切るときは
少しの力でシャッターボタンを押せば大丈夫です。
『シャッターチャンスを絶対モノにするぞ!』
と力みすぎると、シャッターボタンを全押ししたときに
カメラ自体が動いてしまうことがあります。
そうなると、手ブレ写真になってしまいます。
シャッターボタンを半押ししてピントを合わせた後、
そのまま優しくシャッターボタンを押せばOK。
優しく、がポイントです。
息をゆっくり吐きながらシャッターを切れれば、さらによし!!
シャッターチャンスへの集中は保ちつつ、
体と心はリラックスしましょう。

基本のカメラの構え方は、決して難しい技術ではありません。
ですが、とてもとても大切な基本でもあります。
慣れないうちは難しく感じるかもしれません。
最初は誰もが初心者です。私もそうでした。
根気強く無意識でできるレベルまで体に染み込ませてください。
意識せずに基本の構え方ができるようになったら、
もうこっちのモノですよ!

ISO感度の上げすぎに注意!

ISO感度を上げて撮ると手ブレや被写体ブレが防げるので
『暗いところはどんどんISO感度を上げて撮ればいいじゃん!』
と考えるかもしれません。

ですが、
ISO感度を上げすぎると
写真が粗くなって画質が悪くなるのです。
テレビなどで、夜空いっぱいに広がるオーロラや
夜中に田畑を荒らす動物の様子を捉えた映像を
見たことはありませんか?
美しいオーロラや動物の様子はわかりますが、
画面全体の画質がとても悪いですよね。

これは、ISO感度を上げて
電気信号が2倍・3倍・・となる際に、
ノイズも2倍・3倍・・と増幅されるからです。
これはどのデジタルカメラでも起こります。
ISO感度の上げすぎには注意しましょう。
写真全体が粗くなり、画質が悪くなります

こんな場合にISO感度の設定を変えてみましょう

ISO感度を上げて撮る

手ブレや被写体ブレを防ぎたいとき

ISO感度が低いと、
撮像素子が反応する光の量が少ないため、
シャッタースピードを遅くしないと適正露出で写真が撮れません。
シャッタースピードが遅いと、
撮影者の手ブレや被写体ブレが発生しやすくなります。
その場合は、ISO感度を高くすると、
シャッタースピードを速くすることができるので、
ブレのない写真を撮ることができます。

絞り(f値)を絞り込みたい

絞り(f値)を絞り込んで、
被写界深度を深くして(全体的にピントを合わせて)撮りたいときは
光の量がどうしても少なくなります。
その少ない光を、シャッタースピードを遅くすることで
補って適正露出を得なければ、
ちょうどよい色味や明るさで写真を撮ることができません。
手ブレや被写体ブレをを防ぎつつ、
適正露出を得るためにISO感度を上げて撮る、という方法があります。
三脚が使えるなら三脚を使いましょう。
場所によっては、三脚の使用が禁止、
もしくは制限されていることがあります。
撮影の際は、ルールをきちんと守りましょう。

暗い場所(少ない光量)で明るく撮りたいとき

『暗いなら、フラッシュを使えばいいんじゃないの?』
その方法ももちろんアリです。
暗いところでフラッシュを使って撮ると、
フラッシュの光が届く部分と届かない部分の明暗差が出て、
ちょっと不自然な仕上がりになることがあります。
ここでISO感度を上げると、フラッシュを使わなくても、
写真に写る範囲全体を自然な明るさで撮ることが
できるようになります。

ISO感度を上げるメリット

暗い場所でもシャッタースピードを
速くすることができるので、手ブレしにくくなります。
せっかくピントを合わせても手ブレしてしまったら、
全体的にぼやけてしまって、
何を撮りたかったのかわからない写真になってしまいます。

ISO感度を上げるデメリット

写真全体がざらざらとした感じになります。
今のカメラはかなり画質がよくなっているので、
どのくらいISO感度を上げるとどのくらいノイズが出るのか
試してみてもよいと思います。

ISO感度を下げて撮る

明るい場所や状況で開放f値で撮りたいとき

背景をぐっとぼかした写真を撮りたい場合は、
開放f値(もしくはそれに近いf値)を使います。
日中充分な明るさがある場合、
開放f値で光をめいっぱい取り込んでいるので
シャッタースピードを速くして
光の量を少なくしたいところです。

場合によっては、
シャッタースピードがカメラが持つ性能の
上限を超えてしまうことがあります。
そうなると、適正露出が得られなくなります。
ここでISO感度を下げることで、
適正露出を得られるシャッタースピードで
撮ることができるようになります。

ISO感度を下げるメリット

ISO感度が低いと、ざらざらとしたノイズがなく
キレイな画質で撮影できます。
風景写真などで、近景も遠景も
キレイな画質で撮影したいときに向いています。

ISO感度を下げるデメリット

暗い場所での撮影では、
どうしても手ブレのリスクが出てきます。
あくまで私個人の目安ですが、
基本のカメラの構え方ができていても
シャッタースピードが1/30秒よりも遅くなると、
手持ち撮影ではブレが出てしまいます。
シャッタースピードが非常に遅くなると、
呼吸することによって肺が膨らんだり小さくなったり・・
という動きも手ブレになります。
手ブレしないように力みすぎても、ブレてしまうこともあります。
三脚が使える場所であれば、三脚の使用が必須ですね。

ISO感度のおおよその目安

ISO感度を設定する際のおおよその目安です。
ご自身でも試してみて、
カメラ&写真をもっともっと楽しんでくださいね!

ISO AUTO
スナップ撮影など
シャッターチャンスを優先したいとき
(シャッタースピードやf値を考える暇がないとき)
被写体の動きが速かったり、予測不能なとき
例:元気なペットやお子様、飛行機、高速で動くもの

ISO 100~200
画質が最も良い
(シャッターチャンスをじっくる狙えるとき)
・三脚を使った風景写真
・明るい屋外での手持ちのスナップ撮影

ISO 400
画質の良さと適度な背景ボケが得られる
・明るい屋内での手持ちのスナップ撮影

ISO 800
手ブレを抑えて撮影できる
・暗い屋内での手持ちのスナップ撮影

ISO 1600~3200
画質が気になってくるが手ブレを防ぎたい
(光の量は少なめだけど、動きを止めて撮りたいとき)
・屋内のスポーツ撮影
・星空撮影

 

 

 

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