カメラ用語「ff」とは何ぞや!?

カメラ用語「ff」とは何ぞや!?

ffと聞くと、
某有名ゲームのことを思い出す方、
「子どもの時に音楽の授業で聞いたような・・・」
という方もいるかもしれません。

ちなみに・・・
音楽の授業で習ったffは、
『フォルティシモ(ごく強く)』
f:フォルテ(強く)よりも
さらに大きく、という意味です。

本題に戻りまして、

このページでは、
ffという言葉について
見ていきましょう。

カメラ用語 ffとは!?

1.Full Figure
フルフィギュア。
人物の頭の上から足先までを
画面いっぱいに入るように
撮るサイズを言う。

2.Fade out / Fade in
フェードアウト・フェードイン。
映像が無くなって、
黒味の状態になることを言う。

3.Freeze Frame
フリーズフレーム。
静止した画面のこと。

言葉の意味としては、
これらの3つが当てはまります。

2と3は、映像(動画)の用語になります。

このページでは、
1のFull Figureフルフィギュア
について見ていきましょう。

Full Figureについて解説します!

Full Figureフルフィギュアとは、
画面サイズの中の一つです。

画面サイズとは、
人物などのメインの被写体が
画面内でどれくらいの
大きさになっているかを表します。

このページのタイトルの
Full Figureフルフィギュアとは、
人物などを撮影する時に、
頭の上から足先までを
画面いっぱいに入れる
サイズのことを言います。

画面の中の人物を
どのように写し取るかで、
呼び方が変わります。

大きく分類すると、

Long shotロングショット、
Medium shotミディアムショット、
Up shotアップショット

に分かれます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Long shotロングショット

L.S:ロングショット
画面の中の情報量が多く、
一枚で状況説明的な写真になります。
人物などのメインの被写体の大きさは、
相対的に小さくなります。
写真に写る撮影エリアは
大きくなります。

F.F:フルフィギュア
(F.Sフルショットとも呼ばれます)
ロングショットよりも
撮影エリアが小さくなり、
被写体が大きめに写ります。
撮影する対象が
特定されるサイズになります。
被写体の頭上と足下にスペースを入れるか、
頭上に少し多めにスペースを入れると
安定した写真になります。

Medium shotミディアムショット

K.S:ニーショット
膝から頭頂部までが写ります。

W.S:ウエストショット
腰付近から頭の先が写ります。
ニュースなどの話し手が写る
基本のショットです。

B.S:バストショット
胸から上が写ります。
履歴書やパスポートなどの
証明写真によく見られます。

画面に入る人物の大きさ(全身)

Up shotアップショット

アップショット側になればなるほど、
撮影対象が特定されて、
迫力のある写真になります。

U.S:アップショット
被写体の顔が
画面いっぱいに入ります。
被写体の表情が
はっきりとわかります。
人物の肩を入れると
安定した写真になります。

C.U:クローズアップ
アップショットを
さらに強調するショットです。
被写体の目元、口元が
画面いっぱいに入ります。

B.C.U:ビッグクローズアップ
クローズアップショットを
さらに強調するショットです。

Detail shot:
さらに寄った一部分の
拡大ショット(目だけ、口だけ)

画面に入る人物の大きさ(アップ)

画面の配置

被写体となる人物が
左右どちらかを向いている場合、
基本的には
顔が向いている方向の空間をあけるようにします。

逆にすると、
何となく違和感のある写真に
なってしまうので注意しましょう。

顔の向きの反対側をあけると、
不自然な感じになります。

被写体が向いている方向の
空間を少し広くあけると、
写真が安定します。

向いている方:向いていない方=2:1
がおおよその目安です。

画面の配置良い例

大好きなネコにモデルとして
登場してもらいました。(上の写真)
ネコが顔を向けている方向を広くあけています。
こんな感じです。

あくまでも「おおよそ」で大丈夫です。
神経質になりすぎる必要はありません。

肩の力を抜いて、リラックスしていきましょう。

画面の配置悪い例その1

上の写真の余白をカットして、
ネコの顔側をせまく、うしろ側を広くしてみました。
何だか・・・やっぱり変な感じがします。

参考例として、
被写体が向いている逆の方向の
空間をあけましたが・・・
見ていて何だか落ち着かないです。

 

人物を撮影する場合に関してです。
特殊な例ではありますが、
「悩み」「心配」といった
被写体の心理状態を表現する効果を狙って、
あえて人物のうしろをあけることもあります。

 

ちょうど真ん中は、「日の丸」構図と呼ばれる
典型的なNG構図になります。

画面の配置悪い例その2

ネコを真ん中に配置してみました。
THE「日の丸構図」です。
悪い例として作成してみましたが、
やはりイマイチですね。

特に何も考えずにシャッターを切ると、
被写体を真ん中に配置しがちになります。

最初のうちは、特に意識して
被写体が向いている方向の空間を
少し多めにあけるようにしましょう。
練習するにつれて、
だんだん体が覚えてきます。
自然に無意識にできるようになったら
しめたものです!

首切り・串刺しに注意!!
背景が写る場合の注意点

このページで見てきた
ロングショット、フルフィギュア、ニーショット、
ウェストショット、バストショットなどは、
写真の中に背景が写ります。

その時に、
気をつけてほしいポイントがあります。

首切り写真ってなあに?

「首切り」という言葉に、ギョッとしますね。

どのような写真のことを言うのか
一緒に見ていきましょう。

〈ケース1〉
リラックスした笑顔が
いい感じで撮れている。
あれ?背景に写っているものが、
被写体の首のところにかかっている。
偶然写りこんだだけだし、
ナチュラルな表情がすごくいい!
上手に撮れた!

・・・これ、NGです。

窓枠や棚、家具や家電製品などの
真横の線上のモノが背景にあって、
被写体となる人物の
首の部分に写りこんでいる写真。

これが、「首切り」写真というNG写真です。

「首切り」という言葉、
ほんとにドキッとしますよね。

まず、首が切られているように見えて
縁起が悪いです。
また、この写真を見た人は
首を切っている線を追いかけてしまって、
見てほしいポイントに視線がいかなくなります。

首切り写真の例

屋外で人物を撮影する時も、
背景には気をつけましょう。
うしろに写りこんだ塀や柵が、
被写体の首にかかってしまうと
これも「首切り」写真になってしまいます。

シャッターを切る前に、
ファインダーや液晶モニターを見て、
きちんと確認しましょう。

 

串刺し写真にも注意!

「串刺し」も注意しなければなりません。
こちらも一緒に見ていきましょう。

〈ケース2〉
社内報用に撮った人物写真。
撮影してるときは気づかなかったけど、
よく見ると、
被写体となる人物の後ろに、
窓枠が縦に写りこんでいる。
室内で撮影したものだから、
窓枠があるのは別に普通だよね。

人物の頭に刺さっているように
見えるこの写真も・・・NGです。

人物を撮影する時に、
人物の後ろに電柱や標識などの棒状のものが
頭頂部から伸びているように見える写真は、
典型的な「串刺し」写真です。

写真を見た人に、
頭に何か刺さっているような違和感を与えます。

串刺し写真の図

首切り&串刺しパターンも!

〈ケース3〉
窓枠が頭頂部から縦に、
首付近に横に写りこんでいる
「首切り&串刺し」の合体パターンです。

首切り串刺し両方の例

人物を撮影する時は
特に背景に気をつけましょう。
何にも気にせずに撮影すると、
首切り・串刺し両方の
ダメダメパターンになっていることも。

「こんなの別に気にしなければいいじゃん」

気になりだすと、
気になって仕方なくなるんです。

余談ですが、
首切り写真・串刺し写真になっていなくても
背景がごちゃごちゃしていると、
メインの被写体が引き立ちません。

背景選びはとても大切です。
私が撮影する時は、
背景ができるだけ無地の所を
選ぶようにしています。

 

「目刺し」写真って知ってますか?

すぐに魚を思い浮かべてしまう方も
いるかもしれませんが
もちろん違いますよ。

またまた余談ですが、
メザシという名前のお魚が
いるわけではありません。
魚の加工品の名前で、
イワシなどを使った干物のようなものを言います。

さて、話を本題に戻しますね!

正面からではなく、
少しななめを向いた角度の
人物写真を撮る時の場面です。
その時に、
うしろのある観葉植物の枝が、
ちょうど被写体の目のところに
写りこみました。

これが、
「目刺し」写真と言われています。

目刺し写真の例

何かが目に刺さっているように見えて
すごく嫌な感じがする
NG写真の一例です。

“関節”では切らない

このページの最初で、
ロングショット、ミディアムショット、アップショット
についてご説明しました。

人物を撮影する時に安定する
基本的なショットで、
バランスの良い写真のトリミングができます。

トリミングする時の注意点

トリミングってなあに?

トリミングとは、
コンピューター上での写真の
画像処理などにおいて
画面の一部だけを切り出す加工
のことを言います。

それぞれのショットについてですが、
実は“関節”が避けられていることに
お気づきでしょうか。

関節でトリミングされていると、
見ていてなんだか不安に感じます。
なので、首や肩から少し下といった
関節から少しずらした部分で
トリミングします。

関節でトリミングされていると、
写真を見た人は不安を感じます。

関節ではなく、
少しずらしたところで
トリミングするようにしましょう。

関節で切る写真

 

悪いトリミングの例

首のところで切れているこの図。
まさに、「さらし首」という感じで
見ていてコワいです。
わかりやすいように図にしましたが、
自分で見てもゾワゾワします。
(上の四角の部分)

首から上が切れている写真も、
同様に避けなければいけません。
(下の四角の部分)

ひじや手首、腰やひざなど
他の関節でもトリミングしないように
注意してください。

特に深い意図はなく、
なにげなく、無意識に撮影した写真だとしても
撮影された側は、
「悪意があるの?」「わざと?」
と思ってしまうかもしれません。

撮影された方に不快な思いをさせないように
キチンと配慮しましょうね!

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